監修医師
医療法人社団雪焔会 トイトイトイクリニック
理事長・統括院長
野田
知路
- Noda Tomonori -

医療レーザー脱毛をしたいと思っている方は、きっと美意識の高い方でしょう。そんな方に、ぜひ知っておいて欲しいことがあります。それは、医療レーザー脱毛には、意外にも脱毛以外の効果もあるのです。早速みていきましょう
目次
医療レーザーによる脱毛の仕組み
まずは医療レーザー脱毛の仕組みについて簡単に確認しておきましょう。
医療レーザーとは、レーザーの光を当てることで、その熱によって毛根の細胞にダメージを与え、毛を生やす機能そのものを破壊することで、脱毛効果を得る方法です。皮膚に照射しても火傷などを起こすことがないのは、そのレーザーの光が黒いメラニン色素にだけ反応するためです。
医療レーザーの照射を受けたメラニン色素は熱を持ち、その熱によって周囲の毛根細胞にダメージを負与えます。そして、熱ダメージを受けた毛根の毛が数週間後にはパラパラと抜け落ちていきます。
医療レーザー脱毛の意外な効果
通常、医療レーザー脱毛は、もちろん脱毛効果をねらうものですが、実は、次のような意外な効果もあるのです。早速みていきましょう。
ホクロやシミ、ニキビ跡が薄くなる!?
医療レーザーを皮膚に照射すると、その当てた部分の皮膚にホクロやシミ、そばかす、ニキビ跡などがあると、それらが薄くなることがあります。
もともと、医療用レーザーで脱毛ができることが分かったのは、ホクロなどを薄くする美肌治療において偶然分かったことでした。ホクロなどの治療で医療用レーザーを皮膚に照射していたところ、なぜかその部分だけ毛が生えてこなくなることに気づき、それ以来、脱毛ができないかと研究・実験が繰り返された末に、医療レーザー脱毛が実用化されるようになりました。
この経緯からも分かる通り、医療レーザーには、ホクロやシミ、そばかすなどを薄くする効果があります。それは医療用レーザーの仕組みを考えれば分かることです。
ホクロやシミ、そばかすが黒いのは、メラニン色素によるものです。そうした色素沈着は、医療レーザーを照射させることにより、そのメラニン色素が沈着している部分にダメージが加わり、黒くなっている部分が表皮にまで押し上げられ、それが剥がれ落ちることで、見た目としては薄くなるというわけです。
また、ニキビ跡も薄くなる効果がみられることもあります。
ただし、顔にできる肝斑については例外です。肝斑はメラニンが炎症して生じているといわれているため、ちょっとした刺激で悪化する可能性があるためです。肝斑はシミと似ていますが、以上のことからレーザーが照射できないことがあります。
また、脱毛施術では、通常ホクロへの照射は行なっておらず、ホクロ部分は避けるか保護して照射するのが一般的です。
毛穴が目立ちにくくなり、肌に透明感が出てくる
医療レーザーを照射すると、毛穴が小さくなり引き締まるといわれています。あくまで医療レーザーの副次的な効果ですが、素肌に透明感が出るといったことも期待できるかもしれません。
化粧ノリが良くなる
顔脱毛の効果として、顔の産毛がなくなることで、化粧ノリが良くなるのも女性ならではのメリットといえます。これに関しては顔脱毛経験者の多くから聞かれる感想でもあります。
介護を受けるときに介護者がラク
いま、40~50代の女性がVIOラインの脱毛を受けるのに人気が集まっています。
その理由として、自分の親などを介護しながら、アンダーヘアによって少々介護しにくさを感じているからといわれています。そのため、自分が将来、介護される立場になったときに、介護してもらう相手に同じようなわずらわしさを感じさせないように、「自分は脱毛しておき、ケアをしやすくしておこう」と思う女性が増えているのです。
確かに、アンダーヘアは脱毛しておいたほうが、ケアもしやすく清潔に保ちやすくなるといえますし、結果、介護しやすくなるケースも多いでしょう。ご自身にとっても、不衛生になり、万が一の感染リスクも軽減できます。
ワキガは軽減できない
ところで、噂で「医療レーザー脱毛でワキガも軽減できる」と聞いたことのある方はいませんか?
実際のところ、医療レーザーではワキガを軽減することも治すこともできません。
しかし、一方で、「脇の毛を医療脱毛して、なぜかワキガが解消された」という人がいるのも事実です。なぜこのようなことが起きるのでしょうか。
一説に、ワキガの原因となる汗腺「アポクリン腺」に医療レーザーがダメージを加えているのではないかというものがあります。もともと医療レーザーは毛穴全体に熱ダメージを加えるものなので、汗腺も一緒にダメージが加わる可能性があるという考え方です。しかし、この説もエビデンスも取れておらず、正しい情報とはいえないと考えられます。
【まとめ】顔脱毛には美肌効果も!?医療脱毛の意外な効果を紹介
医療レーザー脱毛は、もともと美肌治療で使われたときに発見され、そこから実用化されるようになった施術です。そこから考えると、副次効果として美肌効果が得られることには、理解できる方もおられるのではないでしょうか。あくまでエビデンスもなく、副次的な効果としていわれているもので、誰もが期待できるものでなく個人差があります。
目的はあくまで脱毛施術ですが、脱毛効果と同時に「棚から牡丹餅」のようにお肌が美しくなり、透明感が増すというのは嬉しいものです。