医療脱毛と美容脱毛の5つの違い

毛深さのお悩みを抱えている方が脱毛を検討する際に気になるのは、主に「安全性(肌トラブルは生じないか?」「効果(美しい仕上がり、美肌になれるか?)」「痛みは激しくないか?」「費用はどれくらいかかるの?」といった4つのポイントが挙げられると思います。

しかし、実はもう一点、「医療脱毛か美容脱毛か?」という違いも非常に重要です。

ここでは、医療脱毛と美容脱毛の違いをご理解いただくとともに、あなたに最適な脱毛法をお選びいただけるよう、5つの違いについて解説とアドバイスをしていきます。

医療脱毛と美容脱毛に関する誤解とは?

「医療脱毛とは、ケガや病気を治療するために患部の周辺の毛を脱毛すること。美容脱毛は美容を目的としてムダ毛をなくすこと。だから美容目的なら美容脱毛を選ぶべき」。

そんなふうに考えていらっしゃる方がいるとしたら、それは大きな勘違いです。

最近はネットで脱毛に関するさまざまな情報が飛び交っていますから、そこまで大きく勘違いしてしまう人も少なくなりましたが、それでも漠然と「美容脱毛のほうがいいのでは?」という先入観を持つ人も少なくないようです。

医療脱毛とはどんなもの?

まず、「医療脱毛」とはどんなものか説明したいと思います。

脱毛術を研究・発表・啓蒙している学術団体の日本医学脱毛学会および日本医学脱毛協会は「脱毛は医療行為です。脱毛は安心安全な医療機関で行いましょう」と呼びかけています。

医療行為とは、ケガや病気を治療することだけを意味する言葉ではありません。医療の専門家である医師が医学に基づき、医療器具や医療用品、薬剤などを使って安全性を確認したうえで行う診断や施術全般を指す言葉です。

医療機関(病院やクリニック)で医師が行う脱毛は医学的に安全・健康面に対して十分な配慮がなされているため、安心して施術を受けることができます。これが「医療脱毛」です。

このため、美容を目的とした脱毛であっても、医療機関で施術を受ければすべて医療脱毛ということになります。

医療脱毛と美容脱毛を比べてみよう

このような医療脱毛に対し、エステサロンや脱毛サロンなどで行われる脱毛のことを「エステ脱毛」などとも言いますが、ここでは医療脱毛以外の脱毛の総称として「美容脱毛」と呼ぶことにします。

医療脱毛と美容脱毛を比較した場合、大きな違いにはどのようなものがあるでしょうか。

美容脱毛の安全性について

先ほど「医療脱毛は安全・安心」という話をしましたが、もちろん美容脱毛を提供しているサロンなども「安全・安心」をうたっています。そうでなくてはお客様にお選びいただけないでしょう。

では、医療機関ではないサロンなどで「美容脱毛のほうが安全だ」と主張する根拠とはどのようなものでしょうか?

サロンによって表現はさまざまですが、よく見受けられるものとしては、「医療脱毛は出力の高い医療用レーザーを使うが、美容脱毛はそれよりもお肌にやさしい光脱毛を使うから安全・安心」といった旨の説明があります。

事実、医療用レーザーは出力が高いのですが、それは「医師が使うことを前提としているから」です。

たとえば、薬局に行ってみましょう。薬品には、かぜ薬や胃薬など誰でも買える「第三類医薬品」のほか、薬剤師や販売登録者の説明を受けなくては買えない「第二類医薬品」、薬剤師の説明を受けなくては買えない「第一類医薬品」といった種類があります。

これは、高い効き目が期待できる薬ほど副作用のおそれも高いため、医師や薬剤師といった医療専門家の指導・管理が必要だからです。

さらに効き目の高い薬としては、医師が処方箋を出し、薬剤師が処方箋に基づいて調剤する「医療用薬品」があります。これは調剤薬局に処方箋を持っていかないと買うことができません。

医療脱毛に使われる医療用レーザーは、薬にたとえると医療用薬品のようなものです。素人が扱うと危険な機器だからこそ、美容脱毛には使用を許可されていません。その反面、高い効き目も期待できるというわけです。

また、医療脱毛であれば万一施術中や施術後に肌トラブルが生じても、医師によって適切な処置ができます。

「美容脱毛は医療用レーザーを使わないから安全」という言い方は、薬にたとえると「コンビニでも買えるような、リスクの低い薬品しか扱っていないから安全」といっているようなもので、よく考えてみるとあまり意味のない説明ではないでしょうか。

医療脱毛は痛い?

脱毛を検討している方にとって、痛みは安全性と並んでもっとも心配な要素のひとつかも知れません。

私たちは「病院」と聞くと、つい注射の痛みや治療の痛みなどを連想してしまいがちです。このため「医療脱毛=痛い」と言われると、すんなり納得してしまいやすい傾向があります。

しかし、実際には美容脱毛を提供しているサロンの多くも、レーザー脱毛によく似た光脱毛を行っています。光脱毛とは、レーザーよりも弱い光を使う脱毛法(IPL脱毛など)です。ですからこちらも痛みがゼロというわけではありません。

また、これらに用いられる光照射装置は素人が扱っても事故が起きにくいレベルに出力が限定されているため、レーザー脱毛よりも施術回数を増やさなくては脱毛効果が実感できません。回数が多い分、脱毛完了までには長い期間がかかります。

出力が低い光を使うのですから確かにレーザー脱毛より痛みは少ないかもしれませんが、脱毛効果や期間などを考えると、いちがいに美容脱毛のほうが優れてるとは言いにくいのではないでしょうか。

なお、医療脱毛では医療機関ならではの痛みを緩和する施術(麻酔など)が行えるというのは見落とせないポイントでしょう。

最近は男性も「ヒゲ剃りの手間を省きたい」「午後になると鼻下やあごが青々としてくるのがイヤ」といった理由で脱毛を希望する人が増え、メンズ脱毛の需要も高まりを見せています。

しかし、男性のヒゲのような剛毛はエステサロンなどでは対応が難しいかもしれません。医療脱毛のほうが適切と思われます。

永久脱毛について

わざわざ高い費用を支払って脱毛の施術を受けるのなら、すぐにまた元のようにムダ毛が生えてほしくはありませんね。できれば永久脱毛を希望したいものです。

さて、「永久脱毛」といっても、「一生、一本もムダ毛が生えてこないようにする」というわけではありません。施術後も多少は毛が生えてくるものの、徐々にその本数は減り、効果が長年持続する施術を永久脱毛と呼んでいます。

永久脱毛をするためには、毛根を破壊する必要があります。それができるのはレーザー照射だけで、光脱毛では毛根は破壊できません。このため、現在日本で永久脱毛の効果が期待できるのは医療脱毛だけということになっています。

医療脱毛は高い?

脱毛サロンなどは、低価格を売りにしているところが多く見られます。ビジネスですから、商売敵よりも安い値段でサービスを提供することは有効な戦略のひとつと考えられます。また、チェーンを構築することで多店舗展開によって施術コストを引き下げ、低価格化を実現しているサロンも見受けられます。

これに対し、値段で勝負をしないクリニックなどの脱毛料金は最安値で比較すると不利かもしれません。

ただし、先ほど説明したように美容脱毛の施術回数は医療脱毛より多くなりがちで、期間が長くなるぶんトータルコストではあまり変わらないか、かえって医療脱毛のほうが安く済むケースもみられるようです。

値段で脱毛法を選んでいいのかどうかは患者様の判断次第ですが、施術を受ける前に医療脱毛・美容脱毛双方の見積りを依頼するなど、見かけの提示価格だけを鵜呑みにしないようにするのが脱毛費用を抑えるコツかもしれません。

【まとめ】それぞれの違いを理解して、最良の脱毛法を選択しよう

医療脱毛と美容脱毛の違いについて説明してきましたが、ここで双方の違うポイントをまとめてみましょう。

  1. 医療脱毛は安全・安心な医療行為
  2. 医療脱毛は効果が高いぶん、多少痛みがある
  3. 医療脱毛は施術回数が少なく短期間で脱毛できる
  4. 医療脱毛は麻酔など痛みを緩和する施術ができる
  5. 永久脱毛ができるのは医療脱毛だけ

というように、違いは上記の5項目に大別できるようです。

なお、費用はどちらが高いともいえないため、患者様の状態を踏まえてクリニックとサロン双方で見積りをとって判断したほうがいいでしょう。

これらの項目を比較検討することで、最適な脱毛法を選択するための参考にしていただければ幸いです。

なお、脱毛期間を圧縮したい、あるいは医療脱毛と美容脱毛の両方の長所を取り入れたいという目的で 「医療脱毛と美容脱毛を併用したい」という方が時々いらっしゃいますが、少なくとも同じ部位について同時期に併用することはおすすめできません。クリニックとサロン、お互いがそれぞれどういう施術をしているかがわからないため施術の計画が狂い、肌トラブルの原因になりかねないからです。